石川刃物の歴史
創業者、石川實は刃物に興味を持ち、東京浅草から親戚を頼り、ひとり岐阜県関市へ刃物の修行に出ました。古くから刃物生産の歴史を持つ関市で、彼は刃物、刀剣(白銀師)の技を修得し、昭和25年に独立。合資会社石川刃物製作所を設立しました。この時期の主な製造物は国内向けの突出しナイフで、おりからのアウトドアブームにより、またたく間に売り上げを伸ばしました。
二代目の石川敬唯は海外に目を向け、米国、欧州向けの輸出用のポケットナイフのOEM生産に着手しました。そしてこのOEM生産をきっかけにポケットナイフだけではなく多品種のナイフの製造を開始しました。その後は国内を主力に安価な海外産の鋼材が手に入るようになっても、高品質な日本製の刃物鋼材にこだわり、天然木の素材を主体としたオーソドックスな形状のポケットナイフ、ソムリエナイフ、鉈、短刀、登山刀等、などの刃物の開発、製造、販売を行いました。
現在は三代目、石川修が二代目の意思を継ぎながら、次世代の社員の育成に努め、刃物の一貫製造メーカーとしての地位を確立し、品質向上を目指すべく取り組んでいます。
代表メッセージ
関の刃物文化を未来へ継承するために
弊社は昭和25年に創業し、以来ポケットナイフを主力商品とし、国内、国外で販売しています。
弊社のナイフの大きな特徴は、オーソドックスで使いやすい、実用品であることです。
一部の方しか手に入れられないような高価な材料を使うのではなく、どなたでも購入しやすく、メンテナンスもしやすい、実用品であることを旨としています。
刃物業界は現在過渡期にあります。
海外では比較的需要は変わりませんが、日本国内では数々の悲しい事件が起きたことや、日常生活が便利になったため、一般の方が刃物を触る機会そのものが少なくなりました。全国有数の刃物の生産地、関市ですら、廃業される業者さんが年々増えています。
このままでは関市に伝わる刃物文化は衰退の一途を辿ってしまう。
そうならないためにも、弊社では、刃物文化を次の世代に伝える取り組みを始めました。刃物をむやみに怖がるのではなく、怖さも便利さも知った上で、本来の役割の「道具」として活用してもらうためには、”使い方”を知らなければなりません。
当社の製品も、使ってこそ生きるもの。
そう考えてみれば使い方をお伝えするのは作り手として当たり前のことでした。そこで、”morinoco kinfe” プロジェクトに参画し、岐阜県森林アカデミーさんとツバキラボさんと一緒にお子さんを対象としたナイフを企画しました。小さな手でも使いやすく、食卓においてあっても違和感のない商品です。
危険を知ったうえで、道具として正しく刃物を使ってもらう。
今の生活で失いかけたことをきちんと伝えてゆくのも、刃物メーカーとしての使命だと、その道は細くとも、関の刃物の歴史を守ることへ繋がると信じています。
未来を担う子供たちに、道具として、刃物を使うことを知り、自分で何かを作ることの楽しさを知ってもらうためにも、私たちは弛まず技術を磨き、関市の伝統に恥じない製品をご提供し続けます。
代表取締役 石川修
会社概要
社名 | 株式会社 石川刃物製作所 |
代表 | 代表取締役 石川 修 |
創立 | 1950年 |
住所 | 〒501-3217 岐阜県関市下有知3668-11 TEL 0575-22-9122(代)FAX 0575-24-5328 |
生産品目 | ポケットナイフ、ハンティングナイフ等アウトドアナイフ製造 ナイフ用革ケース製造、特殊工業用刃物刃付け |